ずっと使える基本の野菜料理 福岡 太宰府のマクロビ・和薬膳の料理教室
2017-06-02

梅干し通信⑥ 

今年も梅仕事の季節がきましたね。昨年よりこのブログに梅通信①~⑤を掲載しています。今年も当教室の参加者の皆さんと一緒に梅仕事をしたいと思っています。

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今年で12年目を迎えますが、今回が初めてという方を中心に毎年の常連さんも合わせてワイワイとやりたいと思いますのでよろしくお願いします。

 

 

まずなぜ私が梅干しを毎年漬けることをおススメするのか?についてです。はじめに梅の効用を知って頂きたいので今回は効用についてをまとめてみました。

*梅の効用

梅干しには、クエン酸の殺菌作用、抗菌力、肝臓の強化、腎臓の強化、腸の掃除、細胞の活性化、など沢山の効用を持つすぐれた伝統食品(江戸時代に日本で生まれた独自のもの)で、食べ物の毒、余分な水の毒、古い血の毒の「三毒を絶つ」と評され、薬効の高いことでは定評があります。

梅:酸味・平性    梅干し:酸味・温性  肝、腎

以下に詳しい効用を書きだしました。

参考資料:岡部賢二先生 著 「家族を内部被ばくから守る食事法」、武鈴子 著 「からだに効く和の薬膳便利帳」、岡部賢二先生著 マクロビューティー講座(2016ベジガーデン教室テキスト)講義録より

高血圧の症状にも効果があり、体内機能をスムーズにし血圧を安定させる作用を持ちます。自家製梅干しなら1日3個くらいとっても大丈夫です。ただし、食塩は使わず、自然塩を選んでください。
塩分が気になる方は5年以上たった古い梅干し(塩分がまろやかに)を食べると良いですね。

梅干しは、胃腸の調子も整え、胃酸の分泌を正常にし、胃酸過多、胃潰瘍やストレス性胃炎、十二指腸潰瘍にも効果的です。さらに腸のバイ菌をおさえ、炎症を静め、下痢を止めます。食中毒の応急処置にも使います。ノドの炎症にも梅酢をお湯や水に溶かし、うがいをすると痛みもやわらぎます。

また、塩分ゼロの梅肉エキスは、青梅を長時間煮詰めたものですが、浄化作用や、急性の下痢、エネルギー代謝を促進させる働きや、高血圧症の疲労感、めまい、のぼせなど主に陽性な症状の方にあっているようですよ。即効性も期待できます。

外用にも梅を利用できます。あせも、おでき、頭痛、歯痛にも梅干しの肉をすりつぶして貼り付けておくと痛みが和らいだり、膿が出やすくなります。軽いやけどには、水で充分冷やした後、梅肉エキスを塗っておくと早く炎症が収まります。梅には強い殺菌効果と消炎効果があるので、虫刺されや蛇にかまれた時にも昔から利用されていたようです。

梅干しは精神安定剤!

また、ストレス・不眠解消にも梅干しをおススメします!いらいらしているときはカルシウムが失われていますので、精神の安定に必要なカルシウムを含んだ食品を積極的に取り入れていきましょう。理由は、梅に含まれるクエン酸がカルシウムの吸収を助け、体液のバランスをとって正常にする作用が働き、肉体的にも精神的にも良い状態になります。

肝臓には胆汁をつくるほか、毒素、老廃物などを血液中から取り出し常に血液をきれいに保つという働きがあります。これは梅の作用と同じものなので、梅干しや梅肉エキスを摂ると肝機能の保護になります。

梅が肩こりに有効なのは、血液にたまった乳酸を代謝させ、クエン酸が疲労物質を残さないようにする作用を持つからです。梅干しの肉を直接患部に貼り、乾いたら何回もとり換えるようにすると、身体が楽になります。また「梅醤番茶」でも効果があります。これは、熱い番茶に天然のしょう油、梅干しを入れよく混ぜたものですが、これは新陳代謝を促すものとして昔から飲まれてきました。

口臭予防に!口臭は本人は意外と気づかないが、原因は細菌が腸内で発酵するにおいです。梅の殺菌作用はここでも活躍し、口内、腸内もきれいに殺菌しますので梅を日頃、食べていれば口臭の心配もありません。

めまいがして倒れるというのは鉄分の不足からくる貧血と考えられます。梅干しには、この鉄分が他の果物に比べ、数段多く含まれています。天然の鉄分は胃腸を丈夫にする働きもあります。乗り物酔いする方にも、また女性や子どもたちには梅干しを毎日食べて鉄分を取り入れて頂きたいですね。

食欲不振・夏ばて解消に梅

梅が食欲不振に効果があるのは、梅干しの酸味は、消化器官を刺激しますから、消化液の分泌が盛んになります。これにより、食欲がわき、消化吸収も進むことになります。また梅は強力なアルカリ性食品なので、疲労の原因となる体液の酸性化を防ぐ働きもあります。たしかに梅干しを見ただけでヨダレが出てきますよね!

腎臓病も肝臓病と同じように、血液中の老廃物を尿として排せつし、体液の酸度のバランスを保つ働きがあります。梅干しの成分であるクエン酸などの有機酸には分解(エネルギー代謝をよくする)という働きがあり、乳酸や尿酸などの酸化物(血液を汚す疲労物質)を分解して血液浄化をしてくれます。日頃から梅干しをとることで腎機能にも効果的です。塩分の気になる方は、手作りで自然塩を選んで、できれば5年以上の塩分がまろやかになったものをおススメです。

糖尿病は体内の糖質代謝がきちんと行われなくなり、普通以上にインシュリンが必要になった時や精神的なストレスなどでもおこります。梅は糖質代謝を活発にし、のどの渇き、疲労感なども取り除く作用があるので、総合的に治すにはとても有効です。

その他、動脈硬化、冷え症、便秘症にも梅干し、梅肉エキスをおススメです。

*梅酢は、調味料としても最適です。、また、薄めてうがいに使うと感染症予防、放射性物質の解毒にもなります。

次回は手作りの大切さについても書いていきたいと思います。こんな素晴らしい沢山の効用のある梅干しをぜひ、皆さんも毎日の食事に取り入れて頂けると嬉しいです。

 

 

 

 

 

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